医療脱毛とエステ脱毛の違いとは?
どっちがいい?効果・回数・費用を比較
医療脱毛とエステ脱毛の違いとは?
どっちがいい?効果・回数・費用を比較
「脱毛したいけど、医療クリニックとエステサロンどちらで始めるべき?」「効果の違いは?」「本当にお金や時間をかける価値はあるの?」脱毛を検討している多くの方がこのような疑問を抱えていることでしょう。自己処理の煩わしさから解放されたいという願いは共通していても、医療脱毛とエステ脱毛のどちらを選ぶべきか迷っている方は少なくありません。
この記事では、長年脱毛に携わってきた医師の立場から医療脱毛とエステ脱毛の違いを効果・回数・費用・痛み・安全性などの観点から解説します。
医療脱毛とエステ脱毛の効果の違い
医療脱毛とエステ脱毛の最も大きな違いは、脱毛効果の持続性にあります。
医療脱毛は、毛根付近の発毛組織を永久的に破壊することで、長期的または永久的な脱毛効果(永久減毛、永久脱毛)が期待できます。これは、医療機関でのみ使用が認められている高出力のレーザー脱毛機、光脱毛機、そしてニードル脱毛機を使用することができるからです。
一方、エステ脱毛(美容脱毛)は、発毛組織に不可逆的なダメージを与えることができないため、一時的な減毛・抑毛効果しか得られません。
これには理由があり、永久減毛や永久脱毛は医療行為であると定められているためです。
エステサロンが永久的な脱毛を行うことは法律に触れることになるのです。
ただし、医療脱毛と言えども脱毛効果には個人差があり、全ての毛が完全に毛が生えなくなるわけではありませんので、その点は留意しておく必要があります。
効果の違い
医療脱毛 | エステサロン脱毛 | |
---|---|---|
効果 | 毛の再生率が低くなる | 一時的な減毛・抑毛 |
医療脱毛とエステ脱毛の必要回数と期間の違い
脱毛を完了させるまでに必要な回数と期間も、医療脱毛とエステ脱毛では大きく異なります。
医療脱毛では、一回の脱毛効果が高いため、比較的少ない回数で効果を実感できることが多いです。脱毛のゴールライン、脱毛部位や個人差による違いはありますが、医療レーザー脱毛の場合、一般的に3回目の施術が終わった頃から効果を感じ始め、6〜8回程度で満足できる状態になることが多いです。脱毛完了までの期間としては、毛周期(毛の生え変わりサイクル)に合わせた施術が必要なため、1年〜1年半程度かかることが一般的です。
一方、エステ脱毛では、発毛組織に半永久的なダメージを与えない範囲の低エネルギーで施術するため、1回の施術での脱毛効果が低く、非常に回数と期間がかかるか、もしくは一旦毛が減ってもすぐに元に戻るので、結局ずっと毛が減らないということも珍しくありません。
特にVIO等のデリケートゾーン、男性の髭はエステ脱毛では効果が得られないケースが少なくないようです。
回数の違い
医療脱毛 | エステサロン脱毛 | |
---|---|---|
回数の目安 | 6~8回 | 8~15回以上 |
医療脱毛とエステ脱毛の費用の違いと総額比較
費用面でも医療脱毛とエステ脱毛には違いがあります。
医療脱毛は、エステ脱毛と比較して施術単価が高くなる傾向にあります。
これは、医療脱毛で使用される機器が高価であることや、医師や看護師など有資格者による施術が必要であることが理由として挙げられます。
エステ脱毛では、医療機器と比べると安価な機器を使用し、エステティシャンが施術を行うため、施術単価を抑えることができます。
ただし、医療脱毛は、1回の施術での脱毛効果が高いため、トータルでかかる費用を考えると、必ずしも高くつくとは限りません。
昨今は脱毛サロンや脱毛専門クリニックの倒産も耳にしますので、一括で前払いするコース設定も注意が必要です。
脱毛の料金設定は、施設ごとに異なるため、事前に複数の施設で料金を比較することをおすすめします。
また、オプション料金、麻酔料金、キャンセル料など、追加で発生する可能性のある費用も確認しておくことが大切です。
医療脱毛とエステ脱毛の痛みの違いと対策
医療脱毛は、発毛細胞に永久的なダメージを与えるために高出力のエネルギーを使用するので、エステ脱毛と比較して痛みが強い傾向があります。一般的に、ニードル脱毛が最も痛みが強く、次いでレーザー脱毛、光脱毛の順です。レーザー脱毛の痛みは「輪ゴムで強く弾かれるような」感覚や「熱い油がはねたような」感覚と表現されることが多いです。
痛みの感じ方には個人差がありますが、特に唇周辺やVIOなどのデリケートゾーン、毛が太い部位は痛みを感じやすい傾向にあります。
医療機関では、痛みを軽減するために麻酔クリーム等の使用が可能です。
その他、冷却装置を用いて肌を冷やすことで、やけどを防ぎつつ痛みを和らげる対策も行われます。
一方、エステ脱毛は、一時的な除毛や減毛を目的としており、医療脱毛ほど痛みを感じることは少ない傾向にありますが、エステサロンは医療行為ができないため、麻酔の使用はできません。
痛みと対策の違い
医療脱毛 | エステサロン脱毛 | |
---|---|---|
痛みの程度 | 中~強 | 小~中 |
痛みの対策 | 冷却、麻酔の使用 | 冷却 |
医療脱毛とエステ脱毛の安全性の違い
医療脱毛は、医療機関で行われるため、術後の肌トラブルにも適切に対応することができます。
脱毛施術後は、赤み、腫れ、かゆみなどの肌トラブルが発生することがありますが、医療脱毛なら、医師が適切な処置を行うことができます。
また、医療機関では、肌トラブルに対応するための薬剤や処置方法を備えているため、早期に肌トラブルに対応することが可能です。
エステ脱毛では、肌トラブルが発生した場合、ご自身で医療機関を探すか、提携の医療機関を紹介してもらうことになります。
脱毛が安全になったとはいえ、肌トラブルのリスクは必ずあります。
万が一の場合のことも考慮して施術を受けることが大切です。
医療脱毛とエステ脱毛はどっちがいい?
医療脱毛とエステ脱毛、どちらを選ぶべきかは個人の希望や状況によって異なりますが、医療脱毛を提供している立場からだけではなく、やはり医療脱毛をお勧めします。とはいえ、医療脱毛もメリット・デメリットがありますので、以下を選ぶ際の参考にしてください。
医療脱毛が向いている方
次のような方には、特に医療脱毛をおすすめします。
- ・せっかく脱毛するなら永久脱毛したいと考えている
- ・できるだけ少ない回数で脱毛を終わらせたい
- ・VIOや髭の脱毛を希望している
- ・痛みが心配なので麻酔を使用したい
- ・脱毛希望箇所に肌トラブルがある
- ・内服薬があるのでエステサロンで施術を断られた
- ・万が一の施術後トラブルの際に医師による診察、薬の処方を希望する
医療脱毛のデメリット
医療脱毛といえども、デメリットもあります。
<エステ脱毛より施術単価が高くなりがち>
医療脱毛は、エステ脱毛と比較して施術単価が高くなる傾向にあります。しかし、1回の施術での脱毛効果が高いため、トータルでかかる費用を考えると、必ずしも高くつくとは限りません。
医療脱毛の料金設定は、クリニックによって異なるため、事前に複数のクリニックで料金を比較することをおすすめします。
<エステ脱毛より痛い(個人差あり)>
医療脱毛は、エステ脱毛と比較して痛みを伴う傾向があります。
これは、医療脱毛は半永久的もしくは長期的な減毛を目的としており、発毛細胞に半永久的なダメージを与えるために強いエネルギーで施術するからです。
一方、エステ脱毛は一時的な除毛や減毛を目的としており、医療脱毛ほど痛みを感じることは少ない傾向にあります。
<肌トラブルのリスクがある>
医療脱毛だからトラブルが起きないというわけではありません。
なぜなら、医療脱毛は半永久的な効果を得るため高出力のエネルギーで発毛細胞にダメージを与えるからです。
ただし、医療脱毛は医療機関で行われるため、肌トラブルが発生した場合でも、速やかに適切な処置を行うことができます。
併用は可能?乗り換えの注意点は?
医療脱毛とエステ脱毛は併用することも、途中で乗り換えることも可能です。ただし、いくつか注意点があります。
併用は可能だが同一部位の併用は難しい
エステ脱毛と医療脱毛を併用することは、医療的な意味では可能です。
例えば、エステ脱毛で効果が無かった部位、VIO、髭、うなじを医療脱毛で脱毛し、他はエステ脱毛を継続することはできます。
しかし、同じ部位を同時並行で行うことは効果やリスクの面から避けるべきと考えます。硬毛化した部位では絶対です。
ただし、併用の可否は施設ごとの判断基準がありますので、その都度確認してください。
同一部位の乗り換えは2か月以上間隔を空けてから
先に述べたように、同一部位をエステ脱毛と医療脱毛を併用することはできませんが、乗り換えることは可能です。
この場合は、毛周期や肌の回復時間を考慮して、最後の脱毛から2か月は空けることをお勧めします。
この点に関しても、施設ごとの判断基準がありますので、詳しくは各施設に問い合わせるようにしてください。
この記事の監修医師
大船T's形成クリニック
院長:高梨 昌幸
