【医師監修】医療脱毛、ぶっちゃけいくらでできる?
効果は?回数は?痛みは?
医療脱毛について、医師がぶっちゃけどうなのか解説します。
「サロン脱毛、エステ脱毛と比べて本当に効果はある?」「何回通えばいい?」「通院途中でやめたらどうなる?」「VIOは痛い?」「費用はどのくらいかかる?」など、皆さんが気になる医療脱毛のあんなことやこんなこと、ぶっちゃけて回答します!
医療脱毛、ぶっちゃけいくらかかる?
個人差はあるものの、医療脱毛で最も多く行われているレーザー脱毛で大半の方は脱毛終了しますので、レーザー脱毛で概ね脱毛完了したと言える状態になるまでの費用感と注意点3つについてお伝えします。
※料金設定はクリニックごとに結構幅があります。
レーザー脱毛による部位ごとの費用の目安(女性)
人気の脱毛部位について、
- VIO:8~10万円
- ひざ下(すね・ふくらはぎ):8~10万円
- 両脇:1.5~3万円
- ひじ下(前腕):7~9万円
- 全身:20~40万円
が概ね脱毛完了までに必要な費用の目安です。
あくまで毛質、肌の色が特異でなく、レーザーで全ての施術が問題なく行われた場合を想定しています。
白髪があり、ニードル脱毛の併用が必要である、どうしても抜けにくい毛がある、硬毛化を生じた等の場合は更に費用がかかることがあります。
注意点1.コースの回数を確認
レーザー脱毛の場合、複数回の施術をセットにしたコース設定がよく用いられますが、クリニックごとにセットの回数が違います。
費用面から考えると、1回あたりの料金に換算して比較する必要があります。
また、もともと毛量が少ない場合は少ない回数で満足いく結果となる場合もありますので、もともと毛量が少ない場合は1回ごとの都度払いも検討してみましょう。
注意点2.レーザーの種類を確認
医療レーザー脱毛で使用されるレーザーは、アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーの3種類です。
レーザー脱毛を行っている施設では、アレキサンドライトレーザーかダイオードレーザーのどちらかは通常持っています。
日焼けが激しいなど特別な条件でなければ、脇、腕、脚などの脱毛はどちらのレーザーでも大差ないことがほとんどなのですが、VIO脱毛や乳輪まわり、男性のヒゲを脱毛する場合には、アレキサンドライトレーザーでは非常に回数がかかったり上手く脱毛できなかったりすることが多いので注意が必要です。
VIO脱毛や乳輪まわり、ヒゲの脱毛を希望される場合は、ダイオードレーザーかヤグレーザーによる施術も行っているか確認することをお勧めします。
注意点3.全身脱毛の盲点
脱毛施術を積極的に行っている美容クリニックなどでは、全身脱毛を前面に出したキャンペーンや売り込みを行っています。
確かに、全身脱毛は各部位ごとに行うよりお得になるよう価格設定されていまので、一見するとメリットがあるようにも見受けられます。
しかし、お得だからと軽い気持ちで契約したばかりにかえって高くついてしまうこともあることをご存じでしょうか?
全身脱毛の場合、肩、背中、腰、二の腕、胸腹部などもセットになっていることが一般的なのですが、ここに落とし穴があります。
実は肩、背中、二の腕の脱毛は注意が必要なのです。
なぜなら、レーザーやフラッシュ脱毛の合併症の一つ「硬毛化」(脱毛施術がきっかけで毛がかえって濃くなってしまうこと)の好発部位は肩、背中、二の腕だからです。
もし、硬毛化が起こってしまえば、施術前より体毛が目立つようになっていますので、何とかしなければいけません。
施術したクリニックで無償フォローしてもらえ、症状が改善すれば良いのですが、必ずしもそういうケースばかりではありません。
無償フォローはおろか、フォローそのものをしてもらえず、別クリニックを自分で探し、自腹で硬毛化した部分の脱毛を行っている方も少なくありません。
当院でも美容クリニック、エステサロンで硬毛化を生じてしまい、その改善目的で受診される方が後を絶ちません。
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- 肩、背中、二の腕の脱毛はこのようなリスクも伴いますので、本当に脱毛したかった部位なのか、脱毛する必要性を感じているのかをしっかり考え、万が一硬毛化した場合のフォローについても契約前に確認されることをお勧めします。
医療脱毛、ぶっちゃけ効果ある?
医療機関で使用を認可された機器を正しい使い方で行えば、通常は効果があります。
ただし、どんな高性能の機器を使用しても使い方が悪ければ効果はありませんので、クリニック選びは大切です。
また、もともと効果が出にくい部位・毛もありますので、医療脱毛であればどんな毛でも効果があるわけではありません。
医療脱毛は永久脱毛できる?
医療脱毛のほとんどを占めるレーザー脱毛の場合、厚生労働省が薬事承認しているレーザー機器は「長期の減毛効果」を認めるという表現に留められていますが、医療レーザーで脱毛した場合、永久脱毛の効果があるといって良いと考えられています。
実際、レーザー脱毛の歴史も長くなってきましたが、きちんと施術されていれば完全に元に戻ってしまうことはまずありません。
しかし、どうしても毛根に不可逆的なダメージを与えることができなかった一部の毛は、脱毛直後はしばらく休眠状態になっているのですが、年月とともに少しずつ復活してきてしまいます。
また、確実性が高いと言われているニードル脱毛ですが、こちらはレーザーよりも歴史は古く、永久脱毛が可能な施術として認識されています。
サロン脱毛、ぶっちゃけ効果はどうなの?
さて、医療脱毛と脱毛サロンとの違いをご存じでしょうか?
あまり広くは認知されていないのですが、「医療脱毛は永久的な脱毛が認められており、脱毛サロンは永久的な脱毛が認められていない」のです。
なぜなら、永久的な脱毛になるためには、毛根の細胞に不可逆的なダメージを与えないといけないのですが、身体に不可逆的な影響を与える行為は医療行為になりますので、脱毛サロンで永久的な脱毛を行うと法に触れてしまうからです。
ということで、何回通っても毛が減らない脱毛サロンは法律を遵守しており、順調に毛が減っていく脱毛サロンは違法行為を行っているというパラドックスが生じてしまいます。
その他の違いを下の表にまとめていますので、参考にしてください。
医療脱毛 | エステサロン脱毛 | |
脱毛効果 | 強い | 弱い |
施術回数 | 平均6〜8回 | 平均8〜15回 |
効果 | 毛の再生率が低くなる | 減毛・抑毛 |
脱毛資格 | 看護師免許所有者による施術 | 資格が無くても施術できる |
医師の診療 | 医師の診療がある | カウンセラーのみ |
肌トラブルの対応 | 薬の処方が可能 | 薬の処方が不可能 |
完全に毛が生えないようにできる?
脱毛部位によってできる場合とできない場合があります。
例えば、脇、前腕、下腿、VIO、うなじに関しては、産毛を除けば毛が生えてこないようにできることがほとんどです。
もちろん、そこまでの治療回数は個人差がいくらかあります。
男性のヒゲは回数がかかりますが、近い状態にまで持っていけることが多いです。
一方、産毛・細い毛が多い箇所、例えば女性の顔、二の腕、肩、背中、腰はかなり難易度が高く、完全に毛が生えないようにするのは不可能に近いと言えます。
一旦脱毛を始めると、今まで気にならなかった産毛まで気になることがあるのですが、産毛まで脱毛すると乾燥気味になるなどマイナス面も生じてきますので、目立つムダ毛をほぼ脱毛することを目標とすることをお勧めします。
同じ医療脱毛でも、クリニックによって差はあるの?
クリニックによって、どの程度の毛まで脱毛できるかに差がでてきます。
その差を生んでいるのは、クリニックが「どこまで本気で脱毛に取り組むか」です。
クリニック側の視点からすると、一般的な医療脱毛機(レーザー、フラッシュ)は1台1000万円前後しますので高額投資になりますし、ニードル脱毛は施術者の育成に時間と手間が非常にかかります。
ですので、どこまで機材・人材に投資するかはクリニックの脱毛に対するスタンスによって違い、その結果としてどの程度の毛まで脱毛できるかの違いが生じます。
1美肌治療のついでに脱毛もできればいいという考えのクリニック
脱毛はフラッシュ脱毛でやろう。(美肌治療も同一機器できるため) そのかわり、脱毛効果はレーザーより劣る場合もあるが、それは仕方ないとする。
2ひとまず医療脱毛をメニューの一つとして入れようという考えのクリニック
ランニングコストの安いレーザー脱毛機1台を導入し、それでやっていこう。 そのかわり、ベストの波長を選択できるわけではないが、それは仕方ないとする。
3レーザー脱毛をしっかりとやっていこうという考えのクリニック
複数のレーザー脱毛機、波長を使用してやっていこう。 そのかわり、レーザーで対応できなかった硬毛化や白髪の脱毛は仕方ないとする。
4脱毛を本気で極めようという考えのクリニック
複数のレーザー脱毛機、波長を使用することはもちろんのこと、ニードル脱毛もやっていこう。
脱毛可能とされる全ての毛に対応できるようになるが、機材と人材に大きな投資が必要になるのは仕方ないとする。
このように、クリニックの脱毛に対するスタンスの違いは必ずあります。
抜けやすいケースではどこでやっても大差ないと思います。
違いが出やすいのは、抜けにくいやや困難なケースです。
医療脱毛、ぶっちゃけ何回かかる?
医療脱毛で最も多く行われているレーザー脱毛、ニードル脱毛の場合、一般的には6回前後の施術で概ね満足となります。
ただし、例外もあります。
「抜けにくい箇所」「到達が難しいゴールライン」「抜けにくい毛・体質」が例外を生じます。
抜けにくい箇所 ヒゲ
男性のヒゲは10回以上かかることがほとんどです。
これは、毛根の深さが関係しています。
男性のヒゲは毛根が深く、レーザーが毛根に届きにくいので、脱毛効率が悪くなるからです。
抜けにくい箇所 女性の顔
女性の顔脱毛も非常に難しい部位です。
特に鼻の下は毛根が深いことと、更に毛が細く色素が少ないので非常に困難な場所です。
太い毛以外は永久脱毛が難しく、脱毛してもまた時間とともに生えてくることが多いです。
抜けにくい箇所 肩・背中・二の腕
太い毛はそこまで難しくないのですが、細い毛・軟毛が多い場合は非常に難しくなります。
一時的な脱毛はできても、なかなか永久脱毛に持っていくことが難しいのですが、更に厄介なのがこの部位は硬毛化を時々生じてしまうことです。
硬毛化とは、レーザー脱毛やフラッシュ脱毛がきっかけとなって、細い毛がかえって太くしっかりした毛になってしまうことです。
硬毛化した場合は、それに対応したレーザーを照射するか、ニードル脱毛で脱毛することで治療可能なのですが、時間と費用が余分にかかってしまいます。
到達が難しいゴールライン
ゴールラインの設定を間違えてしまうと、脱毛終了までに時間がかかる、もしくはゴールにたどり着かないことさえもあります。
例えば顔を近づけないと見えないような産毛・軟毛まで脱毛しようとする場合があげられます。
一般的に医療脱毛で5~6回の施術が必要と言われているのは、顔を近づけないでも見える比較的しっかりした毛が8~9割脱毛された状態を指しています。
抜けにくい毛・体質
周辺の毛は脱毛されたのにどうしても数本だけ残る、といったケースもゼロではありません。
レーザーとニードル脱毛まで併用したのになぜか1本、もしくは数本に手を焼くことが稀ながらあります。
また、非常に稀なケースですが、通常はレーザーで脱毛される部位・毛の質にもかかわらず、何度脱毛しても生えてくる、毛の回復率が非常に良い方がいらっしゃいます。
あらゆるレーザーの波長、出力やパルス幅などの設定を変更しても抜けない場合はニードル脱毛で脱毛することになりますが、当初の予定よりだいぶ回数はかかってしまいます。
稀なケースですが、そういうことも確率としてはゼロではありません。
医療脱毛、途中でやめたらどうなる?
それまで脱毛された分がしっかり永久脱毛されていれば、脱毛されたままとなり、元通りになることはまずありません。
例えば、6回施術する予定であったところを3回でやめた場合を考えます。
3回の施術で50%ほど永久脱毛されていれば、その状態が続きます。
ただし、レーザー脱毛の場合、均一に抜けない場合もありますので、途中で終了するとまだらに毛が生えることもあります。
特に男性のヒゲではよく見られる症状ですので、注意が必要です。
医療脱毛、ぶっちゃけどのくらい痛い?
医療脱毛の痛みは、脱毛方法(レーザー、フラッシュ、ニードル)、脱毛部位、毛の太さ、肌の色、我慢強さなどによって、痛みの感じ方に幅があります。
弱い痛みの場合はチクチクする位ですが、強い痛みの場合は涙がツーっと出てくることがあります。
脱毛方法による痛みの違い
医療脱毛における脱毛方法による痛みの強さの順は、ニードル脱毛>レーザー脱毛≧フラッシュ脱毛がおおよその目安です。
もちろん例外もあり、ニードル脱毛とレーザー脱毛の痛みはあまり大差ないと感じる方や、レーザー脱毛の方がニードル脱毛より痛いと感じる方もいらっしゃいます。
脱毛部位による痛みの違い
脱毛する部位によっても痛みの強さは違います。
痛みが比較的少ないのは背中、腕、脚です。
一方、比較的痛みが強いのは男性のヒゲ(特に口周辺)、VIOなどのデリケートゾーンの脱毛です。
これらの部位では麻酔を希望される方が少なくありません。
毛の太さによる痛みの違い
太い毛ほど痛みが強く、細い毛ほど痛みが弱くなります。
これは、太い毛の方が毛根の細胞にダメージを与えるのに必要なエネルギーが大きくなるからです。
細い毛ほど痛みが小さく、太い毛ほど痛みが強い傾向があります。
肌の色による痛みの違い
ニードル脱毛では肌の色は関係ありませんが、レーザー脱毛・フラッシュ脱毛では肌の色が濃いと痛みが強くなります。
レーザー・フラッシュ脱毛は、レーザー光やフラッシュ光がメラニン色素に吸収される性質を利用して黒い毛を脱毛しているのですが、毛だけではなく肌のメラニンにも光が吸収されます。
メラニンに吸収された光は熱エネルギーに変換されますので、肌で生じた熱で痛みを感じることになります。
あまりにも肌のメラニンが多い(日焼けしている)場合はヤケドのリスクにもなりますので、施術を見送ることもあります。(レーザー、フラッシュ脱毛の場合)
我慢強さによる痛みの違い
同一部位、同じような毛の太さ、肌の色であったとしても、痛みの強さは個人個人で結構違います。
どちらかというと中高年者より若年者の方が痛みを感じやすく、女性より男性の方が痛みを感じやすい傾向にあります。(男性は女性より毛が太く、日焼けしている傾向があるということもあるでしょう。)
ただし、毛根の細胞に永久的なダメージを与えるのが永久脱毛ですので、ある程度の痛みは生じてしまいますし、手加減しすぎると毛が濃くなる硬毛化のリスクも高くなってきますので、永久脱毛のためにはいくらか我慢は必要になってしまいます。
医療脱毛、ぶっちゃけリスクはある?
永久的な脱毛を目的とした脱毛の場合、少ないながらもリスクはあります。
医療脱毛に限らず、エステ脱毛でも同様に脱毛に伴うリスクはあるのですが、医療脱毛だからエステよりリスクが少ないかというとそんなことはないと考えています。
もちろん、医学的知識を持つ医療従事者ですので、人体にとっての有害・無害の境界線を勉強してきています。
しかしながら、効果が高い脱毛(永久的な脱毛)を目指すと必ずリスクも伴ってきます。
なぜなら、永久脱毛を最終的なゴールとする医療脱毛は、毛根の細胞に永久的なダメージを与えるということであり、それは有害の境界線近くの行為だからです。
それ故、高い効果と引き換えに多くはありませんがある程度リスクを伴いますので、永久脱毛できる脱毛機器の使用は医療機関でのみ認められているのです。
具体的なリスクですが、レーザー・フラッシュ脱毛の場合は、ヤケド、毛嚢炎(ニキビ)、アレルギー、硬毛化等です。
ニードル脱毛の場合は、毛嚢炎(ニキビ)、長引く赤み、しこり等が主な合併症です。
医療従事者が行う脱毛だからこそ、「効果が高い脱毛を一般的には許容できるリスクで行うことができる」「万が一合併症を生じたときに迅速に対応できる」という点が医療脱毛のメリットだと考えています。
ひねくれた言い方をするなら、リスクゼロを目指すなら脱毛効果ゼロを目指すのが近道です。
脱毛効果を高めながらリスクを如何に抑えるか、万が一合併症を生じた場合にどのように対処するか、術者が常に向き合っている課題です。
これ以外の悩みも、お気軽にご相談ください!
院長のメッセージ
脱毛未経験の方は特に効果、費用、痛み、治療回数など様々な疑問や不安があると思います。
私が長年、脱毛に関わってきて感じていることは、脱毛は手術に準ずる技術治療だということです。
決められたマニュアル通りでは思ったような結果が出ないことが少なくありません。
一本一本の毛としっかり向き合うことでより良い結果を得られるようになります。
そのために日々研鑽し、患者様の疑問や不安に一つ一つ丁寧に答えていくことが私達にできることだと考えています。