足(脚)に茶色いシミが突然できた!
原因・治し方・レーザーで消す方法

足(脚)に茶色いシミが突然できた!
原因・治し方・レーザーで消す方法

「最近を足(脚)を見たら茶色いシミがたくさん出てきた…」「いつの間にかできたシミが気になる」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
ふくらはぎや脛のシミはスカートや短めのパンツをはいた時など、意外と人目につく機会が多いものです。

足に現れる茶色いシミは、顔ほど種類は多くありませんが、治療で改善が見込めるシミと治療が困難なシミがあります。

このページでは、足に生じやすいシミの種類とその原因から効果が期待できる治療法、そして予防法を専門医の立場から解説します。
足のシミでお悩みの方はぜひ参考にしてください。

足(脚)にできる茶色いシミの種類と原因

足(脚)にできる茶色いシミには、いくつかの種類とそれぞれに異なる原因があります。
見た目は似ていても、その発生メカニズムや特徴が異なるため、適切な対処・治療法も変わってきます。

足にできるシミの主なものは、「老人性色素斑」「脂漏性角化症」「炎症後色素沈着」「摩擦黒皮症」があります。
これらのシミは発生原因がそれぞれ異なるため、正しく見分けることが効果的な治療への第一歩となります。
まずは、これらの足のシミについて、それぞれの特徴や原因について解説していきます。

老人性色素班

特徴
老人性色素斑は、加齢や長年の紫外線暴露によって発生する茶色いシミです。
足(脚)にできるシミのほとんどは、この老人性色素斑で、およそ40代以降に増えてくる傾向にあります。
足にできる老人性色素斑の主な特徴は以下になります。

・平らで境界が比較的はっきりとした薄茶色〜茶褐色の斑点
・大きさは数ミリから1~2cm程度まで様々
・主にふくらはぎや脛に発生
・ほとんど自覚症状がなく、見た目の問題が中心

ふくらはぎや脛は、夏場など意外と紫外線を浴びる機会が多い部分です。
しかし、顔を中心とした上半身は日焼け対策をしっかり行うのに、足の紫外線対策はおろそかにされることが少なくありません。
油断していると知らず知らずのうちに紫外線ダメージが蓄積していき、メラノサイトと呼ばれるメラニン産生細胞が活性化され、過剰なメラニン色素が産生されます。
また、皮膚構造の変化と細胞の異常増殖(表皮突起の延長とメラノサイト、ケラチノサイトの異常増殖)を認めます。
このような変化を生じ、老人性色素斑となります。

治療
夏場をはじめ、足を露出する機会は意外と多いものです。
老人性色素斑は悪いものではなく、健康上の問題はありませんが、増えていくとどうしても見た目が気になってきます。
老人性色素斑が自然に消えることはほとんどないため、気になる場合はレーザー治療が最も効果的な選択肢となります。

老人性色素斑(日光黒子)の症状

脂漏性角化症

特徴
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は「老人性イボ」と呼ばれることもあります。
老人性色素斑ほどではありませんが、時々ふくらはぎや脛にできることがあります。
見た目は茶色から黒色のやや隆起したものが多いのですが、皮膚と同じ色のものもあります。

治療
老人性色素斑と同じく、長期間の紫外線への暴露や皮膚の老化現象が主な原因となって生じることが大半で、40代以降になるとできやすくなってきます。

足(脚)にできた脂漏性角化症は、悪性を疑うものでなければ、一般的には炭酸ガスレーザーなどのレーザー治療が効果的です。

脂漏性角化症の症状

炎症後色素沈着

特徴
炎症後色素沈着は、足(脚)の皮膚に何らかの炎症が生じた後に、その部分が茶色く変色して残っている状態です。
特に足の場合は、虫刺され、擦り傷、火傷、湿疹などの炎症が治った後に色素が沈着することが多いです。
この現象は、炎症によって傷ついた皮膚を修復する過程で、メラニン色素が過剰に作られることが原因です。
特に日焼けをするとすぐに茶色くなる方は炎症後色素沈着が起こりやすい傾向があります。
炎症後色素沈着の特徴として以下の点が挙げられます。

・炎症があった場所に一致して現れる
・境界がやや不明瞭な茶色い斑点
・時間の経過とともに徐々に薄くなることが多い
・炎症が落ち着いた後は、かゆみや痛みなどの自覚症状はない

治療
炎症後色素沈着は基本的に時間の経過とともに薄くなっていきますが、完全に消えるかどうかや消えるまでの期間は、きっかけとなった炎症の程度と期間、色素沈着しやすい肌質かどうかによって大きく変わります。
通常は、おおよその目安として1~3年という年単位の時間が必要になります。

この炎症後色素沈着は刺激で生じた色素沈着ですので、早く治そうとして刺激の強い外用薬や強いレーザー照射等を行うと、かえって治癒までの期間が長くなりますので、注意が必要です。

摩擦黒皮症

特徴
摩擦黒皮症(まさつこくひしょう)は、長期間にわたる慢性的な摩擦や圧迫によって足(脚)の皮膚が黒褐色に変色した状態です。
特に足では、膝周辺や足首、くるぶし周辺に認められることが多いです。
摩擦黒皮症の主な特徴は以下のようなものが挙げられます。

・圧迫や摩擦を受けやすい部位(膝、足首、くるぶしなど)に発生
・境界が不明瞭な茶色〜黒褐色の色素沈着
・皮膚が少し硬くなることもある

特に、床に座ることが多い生活スタイルの方は膝周辺、足首やくるぶしなどに生じやすくなります。

摩擦黒皮症は原因となる摩擦や圧迫が続く限り改善しにくいという特徴があります。

治療
まずは原因となる刺激を取り除くことが大切です。
床に座る生活スタイルを見直したり、クッション材を使用したりするなどの工夫が必要です。

また、刺激を受けている期間が長く、黒色までに変化したものは改善が難しいことが多いのですが、早く治そうとして刺激の強い外用薬や強いレーザー照射等を行うと、かえって治癒までの期間が長くなりますので、注意が必要です。

足(脚)の茶色いシミに有効なレーザー治療

ここまで、足(脚)にできやすいシミの種類と原因についてお伝えしてきました。
これらの内、レーザー治療で良好な結果を期待できるシミは、老人性色素斑と脂漏性角化症です。

レーザー治療のメリットとしては、基本的に1回の治療で結果が得られるという点になります。
ただし、足の皮膚は体の中でも代謝が悪い傾向がありますので、結果と言える状態になるまで年単位の時間が必要になります。

では、足のシミ治療に使用されている代表的なレーザー治療についてもう少し詳しく見ていきましょう。

Qスイッチルビーレーザー

Qスイッチルビーレーザーは老人性色素斑に有効なレーザー治療です。

694nmの波長で、メラニン色素に選択的に反応する特性を持っています。
Qスイッチルビーレーザーによるシミ治療は歴史も長く、その有効性はもちろん、その安全性とリスクの程度まで十分に研究され尽くされています。

このレーザーの最大の特徴は、基本的に1回の治療で十分な効果が期待できるという点です。
治療は数分から15分程度で終わり、レーザー照射中は輪ゴムで弾かれたような痛みを感じますが、広範囲の場合でもクリーム麻酔を使用すればかなり痛みは軽減されます。
照射後は薄いかさぶたとなって、足の場合は2週間程度で自然に剥がれ落ちます。
その後、赤みや一過性の色素沈着を生じ、治療結果と言えるまで足の場合1~2年程度の期間を待つ必要があります。

ただし注意点として、炎症後色素沈着や摩擦黒皮症に対しては逆に悪化させるリスクがあるため、適用すべきではありません。
また、治療後は2週間程テープ保護が必要なため、大切な予定がある前の治療は避けたほうが良いでしょう。

治療後の紫外線対策は非常に重要で、日焼け止めの使用などでしっかり対策することが再発防止につながります。適切なアフターケアを行うことで、長期間効果を維持することができます。

Qスイッチルビーレーザー

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーは皮膚を少しずつ削り取っていくタイプのレーザーです。
盛り上がりのある脂漏性角化症の治療はこのタイプのレーザーが特に有効です。
脂漏性角化症に対して、色素だけを除去するレーザーや光治療では複数回治療が必要であったり、除去できないこともありますが、炭酸ガスレーザーであれは1回の治療で除去できるのが特徴です。

注射で麻酔をした後、脂漏性角化症を削り取るように除去します。1か所の治療であれば数分で終わります。
治療部位は浅い擦り傷のような状態になっていますので、足(脚)の場合約14日間テープの保護が必要です。
その後、赤みや色素沈着が落ち着くまでは個人差がありますが、足の場合はおよそ2年前後の期間が必要です。

炭酸ガスレーザー

足(脚)の茶色いシミの予防法

足(脚)の茶色いシミを予防するためには、シミの発生原因を理解し、日々の生活習慣に気をつけることが大切です。
足にできるシミの中には、一度できてしまうと完全に消すのに難渋するものもありますので、そのようなタイプのシミは、予防が最も効果的なアプローチといえます。

足のシミ予防は、基本的に三つの柱で成り立っています。「紫外線からの保護」「摩擦や圧迫の回避」「虫刺され対策や肌の保護」です。

特に摩擦黒皮症と炎症後色素沈着は予防に気を配ることで、新たなシミの発生を防ぎ、既存のシミの悪化を防ぐことに繋がります。

紫外線対策

足(脚)のしみ、特に老人性色素斑と脂漏性角化症の予防のためには、紫外線対策が非常に重要になります。

特に足の紫外線対策は顔ほど注意を払われていないこともあり、紫外線ダメージが蓄積しやすい部位です。
肌を露出するときは日焼け止めの使用を基本とした紫外線対策を十分に行いましょう。

繰り返しになりますが、顔と違いメイクなどをしていない足は、服装によっては紫外線に対して無防備になりやすいです。
紫外線はあらゆるシミの大敵であり、紫外線対策がシミ予防の基本となります。季節や天候を問わず対策しましょう。

肌への摩擦を避ける

足(脚)の茶色いシミのうち、摩擦黒皮症の予防には、日常生活での摩擦を最小限に抑えることが大切です。

特に正座やあぐら、横すわりの機会が多いと、膝周辺や足首、くるぶしへの摩擦が日常的に加わることになります。
また、作業で膝をつく機会が多い場合も同様です。

この慢性的な刺激がきっかけとなって色素沈着を生じ、摩擦黒皮症へと進行します。

思い当たる節がある場合は、できるだけこのような摩擦を生じないように工夫することが、予防の肝となります。

その他には、十分な保湿も大切です。
乾燥した肌は摩擦による刺激に弱く、色素沈着を起こしやすくなります。
具体的には、乾燥しやすい時期はこまめに保湿剤を塗る、入浴後は可能な限り時間を空けずに保湿クリームを塗る等が大切です。
バリア機能を高めるためにも、保湿クリームで十分なケアを行いましょう。

虫刺され対策や肌の保護

虫刺され、擦り傷、火傷などによる炎症がきっかけとなって生じる炎症後色素沈着の予防は、身も蓋もありませんが、虫刺され、擦り傷、火傷を避けることが大切です。

足(脚)の炎症後色素沈着に対しては、とても効果があるという治療が現在のところありませんので、予防をして、万が一できてしまったら自然と消えるのを待つ位しかやることがありません。

炎症後色素沈着に関しては、予防に勝る治療はないという考えが大切です。

この記事の監修医師

大船T's形成クリニック
院長:高梨 昌幸

大船T's形成クリニック院長 高梨 昌幸
一人で悩まず、
まずはご相談ください

0467-47-3711 診療時間 9:00〜16:00(木曜・日祝休診) 0467-47-3711 診療時間 9:00〜16:00(木曜・日祝休診)

初診日当日の施術は行っておりません。
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

18歳未満の方で手術・治療をご希望される方は、保護者の承諾が必要になります。

未成年同意書はこちら