ダイオードレーザー脱毛の
効果・特徴・他のレーザーとの違い
ダイオードレーザー脱毛の
効果・特徴・他のレーザーとの違い
医療レーザー脱毛について少し調べると、「ダイオードレーザー」「アレキサンドライトレーザー」「ヤグレーザー」という3種類があることが分かります。 実際にその使い分けは専門家が知識と経験に基づき判断していくので、施術を受ける方はそこまで気にする必要はありません。 しかし、ご自身が受けるレーザー脱毛についてもう少し詳しく知りたいとお考えの方とって、この記事が参考になればと考えています。
ダイオードレーザーとは?
なぜ医療レーザー脱毛に使われるレーザーは、3種類もあるのでしょうか。それは、それぞれのレーザーに特性があり、1種類であらゆる毛質、肌質をカバーできる万能なレーザーが無いからです。 その特性の違いはレーザーの波長の違いから来ています。 ダイオードレーザーは800~940nm、アレキサンドライトレーザーは755nm、ヤグレーザーは1064nmの波長が主に使われています。この波長の違いが、後にお伝えする各レーザーの特徴の違いをもたらします。 さて、ダイオードレーザーは「熱破壊式」と「蓄熱式」という2つの照射方法が用いられています。
熱破壊式ダイオードレーザーの仕組みと効果
熱破壊式という照射方法は、1ショットがミリセカンド(1ミリセカンドは千分の1秒)の長さの高出力レーザーを脱毛したい箇所に1ショットずつ照射していく照射方法です。 この照射方法は昔からあるレーザー脱毛の基本的な照射方法です。出力等の設定が適切であれば、そこまで施術者の技量による違いが現れないのがメリットなのですが、一瞬で脱毛に必要な熱を発生させるため、痛みを感じやすいというデメリットもあります。
蓄熱式ダイオードレーザーの仕組みと効果
蓄熱式という照射方法は、先に述べた熱破壊式より後に出てきた照射方法です。この方法は、ある一定範囲に低出力のレーザーを連続的に照射し、徐々に脱毛に必要な温度に上げていき(蓄熱)、脱毛するという方法です。 徐々に温度を上げていくので、熱破壊式より痛みを感じにくい傾向にあることがメリットなのですが、最終的に脱毛に必要な温度に達するわけですから、痛いことは痛いです。 この方法は術者の技量に依存する部分が熱破壊式より大きいという点や、凹凸がある部分や細かいところの脱毛はやりにくいという点がデメリットです。
ダイオードレーザーの特徴とメリット
ここからは一般的なダイオードレーザーのメリットを見ていきましょう。
中間的な特性のため、適応範囲が広い
ダイオードレーザーの波長は800〜940nmと、アレキサンドライトレーザー(755nm)とヤグレーザー(1064nm)の中間に位置します。 アレキサンドライトレーザーは、肌のメラニン色素が少なく、やや細めの毛に向いています。一方ヤグレーザーは肌のメラニン色素はそこまで気にしなくて良いのですが、太く根が深いタイプの毛に向いています。 そして、ダイオードレーザーはその中間に位置しますので、ある程度広い適応範囲を持っています。
熱破壊式と蓄熱式の両方に対応できる
ダイオードレーザーは、熱破壊式と蓄熱式の両方の照射方式に対応できる機種が多いので、うまく使い分けできればメリットの一つとなります。 熱破壊式も蓄熱式も、どちらか一方が絶対的に優れているわけではありませんので、それぞれの特性を上手く使い分ければ、より良い脱毛となります。
ダイオードレーザーのデメリット
さて、ここからはダイオードレーザーのデメリットについて見ていきましょう。
中間的な特性が故に、中途半端とも言える
メリットとして「中間的な特性」をあげましたが、これは状況によっては中途半端になるとも言えます。 例えば、アレキサンドライトでギリギリ対応できる細い産毛がダイオードレーザーでは効果があまり得られないということが起こり得ます。 オールラウンドプレーヤー故にニッチな分野では力を発揮できないといった具合です。
接触させながら照射しなければならない
ダイオードレーザーのほとんどはジェルを塗ってレーザーが出てくるハンドピースの先端を脱毛部位の肌に接触させながら照射します。アレキサンドライトとヤグレーザーは接触させません。 何が言いたいかというと、他人のVIOなどデリケートゾーンを施術したハンドピースで口回りなどの脱毛を施術される可能性があるということです。 もちろんハンドピースは使い捨てではありませんし、滅菌消毒もできませんので、ふき取りで対応することになります。 あまり気にしなければ良いだけなのかもしれませんが。
アレキサンドライトレーザーやヤグレーザーとの違い
ここからはアレキサンドライトレーザーやヤグレーザーとの違いをもう少し詳しくみていきます。
アレキサンドライトレーザーとの違い
ダイオードレーザーとアレキサンドライトレーザーの違いは”メラニン色素への反応の強さ“と”深達度“です。 これによって以下のような違いが生じます。(イメージを掴むための、おおまかな分類です)
アレキサンドライトレーザーとの違い
ダイオードレーザー | アレキサンドライトレーザー | |
---|---|---|
産毛 | ▲~× | 〇~▲ |
普通毛 | 〇 | 〇 |
硬毛 | 〇~▲ | ▲~× |
毛根が深い毛 | 〇 | ▲ |
日焼けした肌 | 〇~▲ | × |
ヤグレーザーとの違い
ダイオードレーザーとヤグレーザーの違いも同様に”メラニン色素への反応の強さ“と”深達度“です。 これによって以下のような違いが生じます。(イメージを掴むための、おおまかな分類です)
ヤグレーザーとの違い
ダイオードレーザー | ヤグレーザー | |
---|---|---|
産毛 | ▲~× | ▲~× |
普通毛 | 〇 | 〇 |
硬毛 | 〇~▲ | 〇 |
毛根が深い毛 | 〇 | ◎ |
日焼けした肌 | 〇~▲ | 〇 |
ダイオードレーザー脱毛の効果と期間
ダイオードレーザー脱毛の効果と期間も他のレーザー脱毛と同様です。 ダイオードレーザーで脱毛するのに適した条件で、個人差や部位による差異を考慮しないとすると、3回目の施術が終わった頃より毛の再生が減ってくるのを実感できるようになります。おおよそ6~8回位である程度脱毛されるといった感じになります。 各施術は毛周期に合わせて約2ヶ月の間隔を空けるため、脱毛が終了するまでに1年~1年半が目安となります。 もちろん、脱毛のゴールラインや毛質、肌質によって必要となる回数は前後します。
ダイオードレーザー脱毛に関するQ&A
ダイオードレーザー脱毛について、患者様からよく寄せられる質問にお答えします。
蓄熱式ダイオードレーザーは白髪も脱毛できますか?
- 蓄熱式ダイオードでも他のレーザーと同様に、毛のメラニン色素にレーザーが吸収される必要があることには変わりません。従って、毛にメラニン色素が含まれていない白髪の脱毛はできません。白髪の脱毛にはニードル脱毛が必要になります。
蓄熱式ダイオードレーザーは痛くないのですか?
- 部位によっては蓄熱式ダイオードレーザーの方が従来の照射方法より痛くないと感じることはあります。しかし、最終的には発毛組織を熱で破壊することには変わりありませんので、全く痛くないわけではありません。
ダイオードレーザーと他のレーザーはどのように使い分けているのですか?
- 当院では、毛質、肌の色等から適切なレーザー、設定を選択しています。また、脱毛が進むにつれて、毛質も変わってきますし、前回の脱毛効果などを考慮しながらその都度適切な方法で脱毛する方針で臨んでいます。
ダイオードレーザーは硬毛化しないのですか?
- ダイオードレーザーでも硬毛化する可能性はあります。あらゆるレーザー、光が硬毛化する可能性を持っていますし、リスクの程度こそ違いますが、全ての部位が硬毛化する可能性を持っています。硬毛化する可能性が無い、もしくは極めて低いのはニードル脱毛のみです。
この記事の監修医師
大船T's形成クリニック
院長:高梨 昌幸
