医療脱毛のリスクと副作用について

医療脱毛はエステ脱毛に比べてリスクが高い?

リスクの高さ(合併症の頻度)だけで医療脱毛とエステ脱毛を比較すると、どちらも大差はありません。

過去に医療脱毛とエステ脱毛をリスクの高さに関して当院でアンケート調査したところ、リスクの頻度に有意な差はありませんでした。

この結果をどのように受け止めますか?

医療脱毛は永久脱毛を目的としているため、非常に高いエネルギーを毛根周辺に与える脱毛です。
一方、エステ脱毛は永久脱毛を目的としていないため、低いエネルギーで脱毛します。


永久脱毛を目的とした医療脱毛と、永久脱毛を目的としていないエステ脱毛のリスクに差が無いというのは、機器の発展と術者の技術向上で医療脱毛がいかにリスクを軽減できているか、ということの表れだと考えてよいのではないでしょうか。

医療脱毛によって起こる可能性があるリスク・副作用

医療脱毛、具体的には医療レーザー脱毛と医療ニードル脱毛は、効果的な脱毛ですが、一定のリスクと副作用が存在します。

赤み

脱毛後、一時的に皮膚(特に毛穴周辺)が赤くなることはよく起こります。これは脱毛によって毛穴周辺に軽い炎症が起きているからです。
通常はいくらかヒリつきを伴いながら数日~2週間程度で自然に消失しますが、強い痛みや痒みを伴う場合は施術した施設にお問い合わせ下さい。

かゆみ

脱毛後、一時的にかゆみを感じることがあります。
通常は軽度の炎症に伴う症状ですので、十分な保湿と暖めないように注意することで自然と収まってきます。
しかし、強いかゆみと赤みが持続する場合は、アレルギーの可能性がありますので、この場合は医療機関を受診することを検討してください。

やけど

レーザー脱毛、光脱毛、ニードル脱毛のいずれも熱を発生させて脱毛します。
通常は毛根周辺に熱が留まるのですが、様々な要因で皮膚表面に熱が広がると、やけどが発生する可能性があります。
やけどは非常に稀な合併症ですが、水膨れ、カサブタを生じた場合は、速やかな医学的処置が必要になる場合がありますので注意が必要です。

硬毛化

まれに、レーザー脱毛もしくは光脱毛で脱毛を繰り返すことで、毛が硬く太くなる現象、硬毛化が起こることがあります。
この場合は硬毛化に対応した脱毛方法で対処する必要がありますので、硬毛化を疑った場合は施術を受けている施設にご相談ください。

医療脱毛における心配のいらないリスク・副作用

医療脱毛にはリスクが伴いますが、誤解されがちな心配のいらないリスクや副作用があります。

汗の量が増える

脱毛後に脇の汗が増えたと感じる方が稀にいらっしゃいます。
しかし、脱毛が発汗量に影響を与えるという科学的なデータはなく、脱毛処理によって汗の量が増えることはないと考えられています。
今のところ、毛が無くなることによって、発汗時の感じ方が変わるからという考えが主流です。

皮膚がんになる

脱毛のためのレーザーや光照射が皮膚がんのリスクを高める可能性があるという噂ですが、これも科学的な裏付けはありません。
脱毛に使用するレーザーや光は、紫外線や放射線と違い遺伝子の障害を起こしません。
従って、脱毛による皮膚がんの可能性は心配されなくて大丈夫です。

髪の毛が増える

脱毛をすると髪の毛が増えるというのも科学的根拠はありませんし、脱毛した部位以外への影響も現在のところ認められていません。
しかし、脱毛のためにレーザーや光を照射した部位の産毛が太くなる硬毛化という現象は稀に認められます。

医療脱毛のリスク・副作用に関するよくあるご質問

医療脱毛による痛みはどのくらいですか?
痛みに関しては個人差、施術部位、施術方法によって大分差があります。
よく行われているレーザー脱毛を標準的な体毛に行う場合は、輪ゴムで弾かれる程度と表現されますが、VIOなどのデリケートゾーンやヒゲ脱毛の場合は、もう少し強い痛みを感じることが多いです。
痛みが苦手な方は、クリーム麻酔で痛みを軽減させることも可能です。
医療脱毛後、どのようなケアが必要ですか?
脱毛後は肌が軽度の炎症を起こしており、敏感になっています。
特に赤みが引くまでの期間は、保湿を十分に行い、紫外線への長時間の暴露や熱いお風呂などの刺激は避けるようにしてください。
熱感を帯びている場合は、軽く冷やすことも有効です。ただし、冷やしすぎは凍傷などのリスクが伴いますので注意してください。
肌の色が脱毛に影響を与えることはありますか?
レーザー脱毛では肌の色が脱毛に影響します。
レーザーはメラニン色素に反応しますので、肌のメラニン色素が多いと毛だけでなく肌にもレーザーが反応するからです。
例えば、非常に日焼けされている方や、もともと肌の色が濃い方は、肌の色が濃い場合でも照射できるレーザーを使用しますが、思ったような効果が得られないことがあります。
医療脱毛中に感染のリスクはありますか?
医療脱毛では、毛根周辺で軽い炎症を起こしますので、毛穴の炎症(感染)を生じることがあります。
感染といってもニキビと同じと考えてください。
男性のヒゲ脱毛では時々生じる合併症です。
軽度の場合は自然に治まるのを待ちますが、症状が強い場合は内服薬の使用や処置を行うことで改善します。
医療脱毛後、赤みや腫れはどれくらい続きますか?
一般的には、脱毛後の赤みや腫れは1~2週間で落ち着いてきます。
少し長引きやすい方は2~3週間かかることもあります。
通常は自然に治まるのを待ちますが、赤みが全体に広がって強い痒みを伴う場合や、広範囲にカサブタを認める場合、強い痛みを覚える場合はアレルギーやヤケドなどの合併症の可能性も考える必要があります。
医療脱毛後、毛が再生することはありますか?
医療脱毛後に毛がまた生えてくることはあります。
理論的には、レーザー脱毛やニードル脱毛で十分に発毛細胞が破壊されていれば、その毛穴から毛が再生することはありません。
しかし、実際には様々な理由で発毛細胞が十分に破壊されないことがあります。
その場合、医療脱毛後にも関わらず、また毛が再生するということが起こります。

院長のメッセージ

永久脱毛を目的とした医療脱毛の場合、発毛細胞に永久的なダメージを与えなければなりませんので、少ないながらもリスクは伴います。
まずは、脱毛効果を一定のレベルに保ちながら極力リスクを抑えることが大切です。
そして万が一合併症を生じた際には、適切な処置を適切なタイミングで行うことが更に重要だと考えています。

永久脱毛を目的とした医療脱毛の場合、発毛細胞に永久的なダメージを与えなければなりませんので、少ないながらもリスクは伴います。
まずは、脱毛効果を一定のレベルに保ちながら極力リスクを抑えることが大切です。
そして万が一合併症を生じた際には、適切な処置を適切なタイミングで行うことが更に重要だと考えています。

大船T's形成クリニック院長 高梨 昌幸 大船T's形成クリニック院長 高梨 昌幸

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