剪除法(せんじょほう)
- 自費診療
- 保険診療
剪除法(せんじょほう)とは
剪除法は腋臭症の原因となる、脇の皮膚の裏にあるアポクリン汗腺を外科的に処理(切除・焼灼)します。
ただし、全ての汗腺を処理できるわけではありませんので、ニオイを軽減する治療だと考えてください。
剪除法のメリット
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- 肉眼で汗腺を確認できる
- 保険適応
剪除法のデメリット
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- 目立つ瘢痕が残る
- 術後、日常生活の制限が大きい
- 合併症の可能性が高い
治療の流れ
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1. 初診
診察の上、治療についてご説明いたします。
※肥満(脇の皮下脂肪が多い)、高血圧、糖尿病などがあり、リスクが高いと考えられる場合は治療ができない場合があります。 -
2. 手術
局所麻酔をした後、図のように皮膚を切開し、アポクリン汗腺を切除・焼灼します。
手術時間は片脇約45分、両脇で1時間半ほどです。
手術部位は握りこぶし大のガーゼでしっかりと圧迫し、約5日間そのまま固定します。
術後は脇の安静が大切ですので、肘を肩より上に上げない範囲で生活していただきます。
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3. 翌日検診
手術翌日にトラブルがないかチェックします。
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4. 5日後検診
ガーゼの圧迫固定を解除します。
この日から脇もシャワーで軽く流すことができるようになります。 -
5. 10日後検診
傷を縫ってある糸を抜糸します。
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6. 1か月後検診
傷跡の経過をチェックします。
剪除法のリスク
血腫(けっしゅ)・再出血
脇に血液がたまって腫れます。場合によっては出血が続きます。血腫除去や再手術が必要になることがあります。
創離開、皮弁壊死
傷が開いたり、脇の皮膚が壊死してしまうことがあります。程度の差はありますが、剪除法では比較的よく見られる合併症です。
軟膏処置が数週間~1か月ほど必要です。
感染
傷が膿むことがあります。抗生剤の使用や排膿処置を行います。
ケロイド、肥厚性瘢痕
傷跡がミミズ腫れのように膨らんでしまうことです。
貼り薬や注射で対応します。
脇に血液がたまって腫れます。場合によっては出血が続きます。血腫除去や再手術が必要になることがあります。
傷が開いたり、脇の皮膚が壊死してしまうことがあります。程度の差はありますが、剪除法では比較的よく見られる合併症です。
軟膏処置が数週間~1か月ほど必要です。
感染
傷が膿むことがあります。抗生剤の使用や排膿処置を行います。
ケロイド、肥厚性瘢痕
傷跡がミミズ腫れのように膨らんでしまうことです。
貼り薬や注射で対応します。
傷が膿むことがあります。抗生剤の使用や排膿処置を行います。
傷跡がミミズ腫れのように膨らんでしまうことです。
貼り薬や注射で対応します。
手術の費用
健康保険を使用し、3割の窓口負担の場合、手術費の目安は下記になります。
| 腋臭症手術 | 約43,000円 |
|---|
※手術費の他、初診・再診料、処方薬などの費用が加わります。
剪除法に関するQ&A
手術でニオイが完全に無くなりますか?
- 剪除法はアポクリン汗腺を肉眼で確認しながら処理できるのですが、全ての汗腺を処理できるわけではありません。実際には8~9割の汗腺を処理できていると考えられますが、ニオイの軽減率としては5~7割程度になることが多いです。
傷跡は消えますか?
- 傷跡は年単位でいくらか薄くはなりますが、消えることはありません。体質によっては肥厚性瘢痕やケロイドを生じますので、その場合はかなり目立つ傷跡になることがあります。
手術は何歳からできますか?
- 腋毛がある程度生えそろっていれば、手術自体は可能ですが、若年者の場合は成長に伴う再発が予想されます。
まだ成長期にある若年者の場合は、再治療のしやすさや、学校やスポーツなどへの影響が少ないことから、ミラドライ治療をお勧めしています。 再発する可能性はありますか?
- 一度処理されたアポクリン汗腺は再生しません。しかし、年齢とともに体臭や匂いの感じ方は変化しますので、十年以上たってから再び匂いが気になるようになったというケースは時々あります。
過去に腋臭症の治療をしたことがあるのですが、再手術は可能ですか?
- 状態によりますが、再手術自体は難易度が高いものの、可能なことが多いです。前回治療の汗腺処理が不十分であれば改善が得られますが、剪除法で対応できる範囲を超えた部分に汗腺が存在する場合は再手術による治療効果は得られません。
また、前回治療の影響で瘢痕形成が強く、汗腺を十分に確認できない場合もあります。
院長のメッセージ
剪除法はアポクリン汗腺を直視下に処理できるので、汗腺の有無を確実に確認できる点がメリットです。しかし、日帰り手術の中では合併症のリスクが非常に高いという点と、手術までしてもある程度(場合によっては5割ほど)ニオイが残るという点にご留意ください。
剪除法はアポクリン汗腺を直視下に処理できるので、汗腺の有無を確実に確認できる点がメリットです。しかし、日帰り手術の中では合併症のリスクが非常に高いという点と、手術までしてもある程度(場合によっては5割ほど)ニオイが残るという点にご留意ください。







