胸を取る手術(胸オペ)は何歳から受けられる?親の許可は必要?

胸を取る手術、通称「胸オペ」は、FTMの方にとって、ホルモン療法と並んで非常に大切な治療の一つです。
胸の膨らみは、学校生活や社会生活に大きな支障をきたしますので、様々なメディアを通じて情報が浸透するに従って、手術を希望される年齢が低くなってきています。

しかし、未成年者の場合、胸オペような不可逆的な手術を受ける際に、親権者の同意の有無が問題となることがあります。

この記事では、胸オペを受けるための親権者の同意問題に関する情報を提供し、FTMの方やその家族の助けとなることを目指しています。

18歳未満は胸オペが受けられないのか?

18歳未満でも胸オペを受けることは可能です。

しかし、胸オペを受ける際、同意能力が認められる18歳以上の成人であれば、本人の同意のもとに手術を受けられる一方で、18歳未満の場合は親権者の同意を求められることが一般的です。

なぜ親権者の同意が必要?

法的には未成年であっても、その医療行為に関して、理解力・判断力を十分に備えており、同意能力があると認められれば、本人の同意のみで医療行為を行うことは可能です。

しかし、十分な理解力・判断力があるという定義があいまいであり、未成年者本人の同意のみで医療行為を行った場合、後に親権者と医療機関・医療従事者の間でトラブルになる可能性が否定できないため、通常は医療機関側が親権者の同意を求めます。

胸オペに関しても同様で、18歳未満の場合、法的に必ずしも親権者の同意が必要というわけではありませんが、実際には親権者(場合により2名)の同意を必要とされることがほとんどです。

ガイドラインにおける親の同意について

日本における医療従事者へ向けた性同一性障害の診断と治療ガイドラインでは、18歳未満での胸オペは親権者(親権者が2名の場合は2名とも)の同意が必要と定めています。

ただし、ガイドラインは医療従事者に向けた指針であり、法的拘束力等はありません。

法的側面以外の問題について

法的な側面以外にも様々な問題があります。

その一つに経済的な問題があります。
未成年者では、胸オペの手術費用をご自身で用意することは難しく、通常は親権者等から経済的な支援を受けることになります。

その場合、支援者の同意を得ることは必然といえます。

若年者における胸オペの必要性

臨まない乳房の発達は、心理的ストレスや不快感を引き起こします。

このことが原因で学校生活や社会生活に大きな影響を及ぼすことも少なくありません。

若年者に対する手術などの不可逆的な治療は慎重さが求められる一方で、若年者だからこそ彼らの貴重な時間を無駄にすることが無いよう、早期の手術を検討する必要があるとも言えます。

胸オペを18歳未満で受けるメリットとデメリット

胸オペを18歳未満で受けることにはメリットとデメリットがあります。

メリットとしては、早期に心理的なストレスの軽減や社会的適応の向上が期待できます。
また、胸オペを受ける年齢が低いほど、胸の皮膚の弾力性が保たれているため、術後の胸の形がきれいに整いやすい傾向があります。
そして、圧迫下着(ナベシャツ)や粘着テープによる圧迫から解放されるメリットも大きいです。

一方、デメリットとしては、手術という不可逆的な医療行為が未成熟な心と身体に対する影響や、将来的に後悔することになる可能性を考えなければなりません。
しかし、性別違和が明らかでゆるぎないものである場合は、後悔する可能性は極めて低いと言えます。

まとめ

胸オペは、トランスジェンダー男性(FTM)にとって非常に大切なステップです。
日本では基本的に18歳以上と認識されていますが、18歳未満でも手術を受けることはできます。

親権者の同意・承諾は、法的には一定の条件を満たせば必ずしも必要なものではありませんが、倫理的、社会的、経済的な面など様々な点から事実上は必要であると言えます。

早期に胸オペを受けるメリットは数多くありますが、デメリットもありますので、手術を決める前に十分に検討することが大切です。

この記事を通じて、胸オペに関する基本的な情報や親の承諾の必要性などに関して少しで助けになれば幸いです。

一人で悩まず、
まずはご相談ください

0467-47-3711 診療時間 9:00〜16:00(木曜・日祝休診) 0467-47-3711 診療時間 9:00〜16:00(木曜・日祝休診)

初診日当日の施術は行っておりません。
ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

18歳未満の方で手術・治療をご希望される方は、保護者の承諾が必要になります。

未成年同意書はこちら