ヤグレーザー脱毛:
仕組み・効果・痛み・他のレーザーとの違い

ヤグレーザー脱毛:
仕組み・効果・痛み・他のレーザーとの違い

「ヤグレーザー脱毛をしてみたいけど、痛みはどうなんだろう?」「他のレーザー脱毛との違いがわからない」「日焼けした肌や濃い毛にも効果があるの?」など、ヤグレーザー脱毛について気になっている方は多いのではないでしょうか。

美容医療の発展とともに脱毛技術も日々進歩しており、その選択肢も増えています。その中でもヤグレーザー脱毛は、特に肌色が濃い方や太くて濃い毛の脱毛に適していることから注目を集めています。

この記事では、ヤグレーザー脱毛の仕組みや効果、痛みの程度、他のレーザー脱毛との違いを解説します。脱毛サロンやクリニック選びで迷っている方、より自分に合った脱毛方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

脱毛は一度始めると、ある程度の期間腰を据えて施術を受ける必要がありますので、事前にしっかりとリサーチした上で始めることが大切です。その一環として、ヤグレーザー脱毛とはどういうもので、どんな方に向いているのかを知って頂ければと思います。

ヤグレーザーによる脱毛の仕組み

ヤグレーザー脱毛は、ヤグレーザー(Nd:YAG)を照射して脱毛する、医療脱毛です。

脱毛の際、レーザー光は毛の黒い色素(メラニン)に吸収され、熱エネルギーに変換されます。この熱が毛根周辺を取り囲む組織に伝わり、毛を生み出す発毛細胞にダメージを与えます。

ヤグレーザーの特徴として、ヤグレーザーは1064nmという波長を持ち、この波長のレーザー光は皮膚の奥深くまで到達することができます。これにより、肌表面へのダメージを最小限に抑えながら、深い位置にある発毛細胞に効果的にアプローチすることができます。
このような特徴を上手く使うことによって、肌の色が濃い方や日焼けした肌への脱毛や、毛根が深い毛への脱毛を効果的に行うことができます。

ヤグレーザーをはじめとしたレーザー脱毛は医療機関でのみ行うことができる医療行為であり、医師の管理のもとで施術が行われます。

ヤグレーザーによる脱毛の効果

ヤグレーザー脱毛は、その特性を把握した上で、効果が得られやすい毛に照射すると、高い効果を得ることができます。
その効果が得られやすい毛とは、太くて毛根が深い位置にある毛です。
例えば、ヒゲ、VIO、うなじの毛がこれにあたります。

このような毛に対して、ヤグレーザーが高い効果を発揮するとはいえ、複数回の施術は必要です。
個人差はあるのですが、ヒゲは10~15回、VIOやうなじは6~8回程度の施術が、多くの方が満足するのに必要な回数の目安となります。

また、脱毛が進むと毛質が変わってくることも多く、その場合はヤグレーザー以外のレーザーが効果的なこともあります。
この辺りの判断は、信頼のおける専門スタッフに任せておくのが良いでしょう。

ヤグレーザー脱毛の痛み

ヤグレーザー脱毛の痛みについては、ヤグレーザー脱毛は他のレーザー脱毛と比較して、痛みを感じやすいです。
痛みの感覚は個人差や施術部位、毛の質による違いがあるのですが、「太い輪ゴムで思い切りはじかれたような」感じです。
特に毛が濃く太い部位では、発生するの熱エネルギーが集中するため、痛みを感じやすくなります。具体的には、ヒゲやVIOなどの毛が濃い部位では痛みをより強く感じる方が多いです。

もちろん、痛みの感じ方には個人差があることも事実です。痛みに強い方もいれば、弱い方もいます。また、同じ人でも体調や月経周期、施術部位などによって痛みの感じ方が変わることもあります。
医療機関でのヤグレーザー脱毛では、冷却装置を使用し、レーザー照射前後に肌を冷却することで肌を保護し、痛みを軽減しています。特に痛みに敏感な部位や不安がある方には、施術前に麻酔クリームを塗布することも可能です。

多くの方は初回の施術が一番痛みを感じます。2回目、3回目と施術を重ねるにつれて毛の密度が減り、痛みも軽減されていきます。また、施術に慣れることで精神的な不安も減り、痛みの感じ方も変わってくることが多いです。
痛みの軽減のために、レーザーの出力を下げることもありますが、その場合は脱毛効果も一緒に落ちてしまいますので、できるだけ出力は下げない方が望ましいと当院では考えています。

ヤグレーザーによる脱毛のメリット

ヤグレーザー脱毛には、他の脱毛方法と比較して次のようなメリットがあります。

1. 毛根が深い毛に対して効果的
2. 褐色の肌でも脱毛可能
3. 硬毛化を生じにくい
4. 永久的または長期的な減毛効果

<1. 毛根が深い毛に対して効果的>
ヤグレーザーは皮膚の深い層まで到達するため、ヒゲ、うなじ、VIOなど毛根が深い毛の脱毛に効果的です。
これらの部位の毛は毛根が深いため、他の波長のレーザーや光脱毛で十分な効果が得られないことが少なくありません。そのような場合でも、ヤグレーザーに切り替えることによって良好な結果を得られることが多く、これはヤグレーザーの特徴によるものです。

<2. 褐色の肌でも脱毛可能>
肌の色を問わず脱毛できる点は、ヤグレーザー脱毛のメリットの一つです。ヤグレーザーは波長が長いため、日焼けした肌や色素沈着のある肌、元々色の濃い肌にも安全に使用することができます。他のレーザー脱毛では施術を控えるべき場合でも、ヤグレーザーなら施術可能なケースが多いです。

<3. 硬毛化を生じにくい>
レーザー脱毛や光脱毛で度々問題となる合併症に硬毛化があります。ヤグレーザー脱毛は硬毛化を比較的起こしにくいことで知られています。
とはいえ、ヤグレーザー脱毛でも硬毛化を生じる可能性がゼロではありませんので、そこは注意が必要です。

<4. 永久的または長期的な減毛効果>
ヤグレーザー脱毛は医療機関のみで行われる医療脱毛です。医療脱毛は高いエネルギーを扱うことができます。その結果、永久的または長期的な減毛効果を得ることが可能です。

ヤグレーザーによる脱毛のデメリット

ヤグレーザー脱毛は多くのメリットがある一方で、以下のようないくつかのデメリットも存在します。

1. 他のレーザー脱毛と比較して痛みを感じやすい
2. 毛根が浅い毛への効果が限定的
3. 医療機関での施術のため比較的コストが高い
4. 施術直後の一時的な肌トラブルの可能性

<1.他のレーザー脱毛と比較して痛みを感じやすい>
ヤグレーザー脱毛は他のレーザー脱毛と比較して痛みを感じやすいという点は、最大のデメリットと言っていいでしょう。ヤグレーザーは皮膚深部まで到達するため、痛みを強く感じる方が多いです。冷却装置や麻酔クリームなどの対策を行っていますが、少ない痛みで脱毛できるというわけにはいきません。

<2. 毛根が浅い毛への効果が限定的>
毛根が浅い毛への効果が限定的な点も考慮すべきデメリットです。ヤグレーザーはヒゲやVIO等など毛根が深い毛に対しては非常に効果的ですが、毛根が浅い毛には他のレーザーの方が効果的なケースがあります。そのため、全身の様々な部位に対応するためには、複数の種類のレーザーを使い分ける必要があります。

<3. 医療機関での施術のため比較的コストが高い>
医療機関での施術のため比較的コストが高い点もデメリットの一つです。ヤグレーザー脱毛は医療行為であるため、エステサロンなどで行われる光脱毛と比較すると、1回あたりの費用が高くなる傾向があります。ただし、ヒゲ、VIO、うなじ等への効果の高さを考慮すると、長期的には費用対効果が良いという見方もできます。

<4. 施術直後の一時的な肌トラブルの可能性>
ヤグレーザー脱毛に限らず、あらゆる脱毛で施術直後には赤み、腫れ、かゆみなどの可能性があるのですが、ヤグレーザーは赤みや腫れがいくらか出やすい傾向があります。ただし、これらは通常一時的なものです。時間の経過とともに、通常は自然におさまります。

ヤグレーザーと他のレーザーによる脱毛の違い

ヤグレーザーは他のレーザーと比較して、その波長の違いから、効果が出やすい毛や部位、脱毛が可能な肌質などに違いがあります。ヤグレーザー以外で脱毛で使われるダイオードレーザーやアレキサンドライトレーザーとは異なる特性を持っており、それぞれの特徴と具体的な違いについて解説します。

ヤグレーザーとアレキサンドライトレーザーによる脱毛の違い

ヤグレーザーとアレキサンドライトレーザーは、医療レーザー脱毛の代表的な種類ですが、その特性には明確な違いがあります。

その特性の違いは、波長の違いから来ています。ヤグレーザーの波長は1064nmであるのに対し、アレキサンドライトレーザーは755nmと短い波長を持っています。この波長の違いが、両者の効果や適応に大きな影響を与えています。アレキサンドライトレーザーは波長が短いため皮膚表面に近い部分に作用し、ヤグレーザーは波長が長いため皮膚深部まで到達します。

そのため、効果を発揮しやすい毛質に違いが生じます。
アレキサンドライトレーザーは毛根が浅い毛に効果的です。
一方、ヤグレーザーは毛根が深い毛に対して優れた効果を示します。
そのため、ヒゲやVIOなどにはヤグレーザー、脇や腕の毛にはアレキサンドライトレーザーが使用されることが多いです。

対応できる肌の色も違いがあります。
ヤグレーザーは肌表面のメラニンへの反応が弱いため、色素の濃い肌や日焼けした肌にも安全に使用できる特徴があります。
一方、アレキサンドライトレーザーは表皮のメラニンに強く反応するため、色白の方に適しており、色素の濃い肌ではヤケドや色素沈着のリスクが高くなります。

そして、痛みの感じ方も異なります。
一般的に、ヤグレーザーはアレキサンドライトレーザーよりも痛みを強く感じる方が多いです。
これはヤグレーザーが皮膚深部まで到達し、より強い熱エネルギーを発生させるためです。ただし、痛みの感じ方には個人差があり、施術部位や何回目の治療かによっても変わります。

安全で効果的な脱毛を行うには、肌の色調や毛質、脱毛したい部位に応じて、これらのレーザーを使い分けたり、組み合わせたりして施術を行う必要があります。

ヤグレーザーとダイオードーレーザーによる脱毛の違い

ヤグレーザーとダイオードレーザーは、どちらも医療脱毛で使用されるレーザーですが、それぞれに特長があり、患者様の肌質や目的に応じて使い分けられます。

まず、ヤグレーザー(Nd:YAG)は波長が1,064nmと長く、レーザー光が皮膚の奥深くまで届くのが特長です。そのため、毛根が深い部分や男性のヒゲなどにも高い効果を認めます。一方、ダイオードレーザーは波長が約800〜810nmで、皮膚の中層まで届く構造です。効果的な深さにエネルギーが集中することで、産毛から太い毛までバランス良く対応できます​。

次に、ヤグレーザーはメラニンへの吸収率が比較的低いため、色黒の肌にも照射可能である点が大きなメリットです。日焼け肌や色素沈着がある部位にも施術できる可能性が高く、安全性も確保されています。それに対し、ダイオードレーザーは中程度の波長で、メラニンへの反応もヤグレーザーよりも良好なため、日本人の平均的な肌色に非常に適しており、広く使用されています​。

最後に痛みに関してですが、ヤグレーザーは深部に強い熱エネルギーを届けるため、痛みを感じやすいです。特にVIOやヒゲなどの部位では「強い輪ゴムで思い切り弾かれるような痛み」と表現されることがあります。一方、ダイオードレーザーも痛いのですが、ヤグレーザーよりは痛みが少ないことが多いです​。

このように、それぞれのレーザーには明確な特長と適した使用シーンがあります。患者様の肌質や脱毛したい部位、痛みに対する感受性などを踏まえて、最適なレーザーを選択することが重要です。

ヤグレーザー脱毛の通う回数と間隔

脱毛は毛の成長サイクル(毛周期)に合わせて施術を繰り返す必要があり、1回で完了することはありません。ヤグレーザー脱毛も、満足のいく結果を得るためには、適切な回数と間隔で施術を受けることが重要です。一般的に、ヤグレーザー脱毛は以下のような回数と間隔が目安となります。 まず施術回数については、部位や個人の毛質によって差はありますが、通常5〜10回程度の施術が必要となります。特に毛が濃く太い部位では、より多くの回数が必要になることもあります。

例えば、男性のヒゲ脱毛では10〜15回、女性のVIO脱毛では6〜10回程度が目安です。

施術の間隔については、他のレーザーと同様、通常約2ヶ月間隔で行われます。これは毛の成長サイクルに合わせて施術するためで、次の成長期の毛に効果的にアプローチするための期間です。毛には成長期、退行期、休止期という3つの成長サイクルがあり、レーザー脱毛は成長期の毛にのみ効果がありますので、施術の間隔を守ることは大切です。

全ての施術を完了するまでの期間としては、2ヶ月間隔で5〜10回の施術を行うと考えると、約1年〜2年ほどの期間がかかることになります。ただし、数回の施術を受けた段階から、毛が薄くなる、生えてくるスピードが遅くなるなどの効果を実感できることが多いです。

なお、ホルモンバランスの変化や体質、内服薬の使用などによって、施術完了後も一部の毛が再生してくることがあります。

ヒゲ、VIO、うなじはヤグレーザーがおすすめ

このようにヤグレーザーは深いところに届き、皮膚のメラニン色素に反応しにくいという特徴を持っています。
そのため、ヒゲ、VIO、うなじで高い効果を発揮します。
男性のヒゲは一般的に太く濃く、深い毛根を持っています。そのため、ヤグレーザーのように皮膚深部まで到達し、深くにあるヒゲの毛根にしっかりとアプローチすることができます。

VIO部位の脱毛においても、ヤグレーザーは効果的です。VIO部位は、もともと肌の色が濃いことが多いので、表皮への影響が少ないヤグレーザーは非常に有効です。ヤグレーザーは肌の色素が濃いVIOでも、ヤケドなどのリスクを最小限に抑えながら効果的な脱毛ができます。

ただし、ヤグレーザー脱毛は他のレーザー脱毛と比較して痛みを感じやすい傾向があります。特にヒゲやVIOなど、毛が濃い部位では痛みを強く感じることがあるため、施術前の麻酔クリームの使用など、痛みへの対策が重要です。

ヤグレーザーが他のレーザーや脱毛方法と比べて、全てにおいて優れているわけではありません。レーザーの特徴を活かして施術することで、より良い脱毛が可能となります。

この記事の監修医師

大船T's形成クリニック
院長:高梨 昌幸

大船T's形成クリニック院長 高梨 昌幸
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