頬に急にできたシミを消したい!
原因・治し方・レーザーで消す方法

頬に急にできたシミを消したい!
原因・治し方・レーザーで消す方法

鏡を見たときに、頬に今までなかったシミを発見して驚いた経験はありませんか?「あれこんなとこにシミあったっけ…」と頬のシミに気づいたとき、多くの方が不安を感じるものです。
頬は顔の中でも目立つ部位であり、シミがあると実年齢より老けて見えたり、メイクでも隠しきれなかったりと、気になってしまう部位です。

頬にできやすい代表的なシミは「老人性色素斑」「そばかす」「脂漏性角化症」「肝斑」「ADM」の5つがあり、それぞれに原因や適した治療法、治療経過が異なります。
また、見た目は似ていても全く違うシミが混在していることもよくあります。
まずはシミの種類を把握することが効果的な治療への第一歩となります。

この記事では、頬にできるシミの種類や原因、そして医療機関で受けられるレーザー治療に焦点を当て、それぞれのシミに適した治療法をお伝えします。

シミで悩む方の中には「このシミ、本当に消えるの?」と不安を抱える方も多いでしょう。確かに、シミの種類や状態によって治療効果は異なりますが、適切な診断と治療によって、多くのシミは改善したり、完全に消したりすることが可能です。

まずは自分の頬にあるシミがどの種類なのかを知り、それに合った対策を始めましょう。

頬にできるシミの種類

頬にできるシミには、見た目は似ていても原因や性質が異なる様々な種類があります。適切な治療法を選ぶためには、まず自分のシミがどの種類なのかを知ることが重要です。
ここでは、頬によく見られる5つの主なシミの種類について解説します。
それぞれのシミは形や色、できる年齢や場所に特徴があります。

頬のシミに悩む方は、まずは自分のシミの特徴を以下の説明と照らし合わせてみてください。
自分のシミがどのタイプに当てはまるのか、おおよその見当がつくと思います。

老人性色素斑

特徴
老人性色素斑は、長年の紫外線暴露によって発生する褐色のシミで、主に40代以降に現れます。頬は日常的に紫外線を浴びやすい部位のため、特に発生しやすい場所です。

見た目の特徴としては、境界がはっきりとした円形や楕円形の平らなシミで、色は薄い茶色から茶褐色まで様々です。大きさは小さなものでは米粒大から、大きいものでは500円玉より大きくなります。
複数のシミが集まって広範囲の色素沈着のように見えることもあります。

老人性色素斑は「しみ」の代表的な種類で、一般的に「シミ」と呼ばれるものの多くがこの種類に該当します。

他のシミと区別できる点として、老人性色素斑は紫外線を多く浴びる顔、手の甲、前腕など露出部位に多発することと、年齢とともに数が増えていくことが挙げられます。

治療
老人性色素斑はレーザー治療が非常に効果的で、1〜数回の治療で薄くしたり、完全に消すことも可能です。
特にQスイッチレーザーやピコレーザーが効果的です。

老人性色素斑を予防するためには、日常的な紫外線対策が最も重要です。
すでにある色素斑の悪化を防ぐためにも、日焼け止めの使用や帽子の着用など、適切な紫外線防御策を取ることをおすすめします。

老人性色素斑(日光黒子)の症状

脂漏性角化症

特徴
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は「老人性イボ」と呼ばれることもあり、老人性色素斑と同様に、紫外線への暴露が多い頬やこめかみによく認められます。
見た目は茶色から黒色のやや隆起したものが多いのですが、皮膚と同じ色のものもあります。

一般的には、40代以降の方の顔や手の甲に認められることが多いのですが、20代など若い方にも認められることがあります。

治療
脂漏性角化症は老人性色素斑と同様に、紫外線と年齢変化に伴う肌の老化現象が大きな原因ですが、若年者や紫外線の影響が少ない腹部に認められるケースもあります。

治療は医療機関でのレーザー治療が第一選択で、その他に液体窒素治療や切除手術も行われています。

脂漏性角化症の症状

肝斑

特徴
肝斑は、両頬に薄茶~茶色い色素沈着として認められることが最も多いです。
その他には額、口回りなどにも認められることがあります。
特に30~50代の女性に発症することが多いです。

肝斑の形状は不規則で、境界がはっきりしないクスミとして認められる場合やまだら模様となることが多く、左右対称性に認められやすいこともあり、他のシミとは異なる特徴を持っています。
日光に当たると濃くなるため、肝斑がある方は紫外線対策が特に重要です。

治療
肝斑の特徴的な点は、一般的なシミと違い皮膚の炎症を伴っていることが多いことです。
このため、強いレーザー治療を行うと逆に悪化することもあるため、肝斑の診断を的確に行い、肝斑専用の治療を行う必要があります。
トラネキサム酸を含む内服薬、肝斑専用のレーザー治療や適切なスキンケアが効果的です。

肝斑の診断はそこまで難しくはありませんが、間違った治療法を行うと、かえって悪化してしまうこともありますので、専門医の診断が大切です。

肝斑(かんぱん)の症状

そばかす

特徴
そばかすは、遺伝的要因によって発生する小さな色素斑で、典型的なものは幼少期から思春期にかけて現れます。顔全体、特に頬やまぶた、鼻の周りに多く見られ、左右対称に発生するのが特徴です。
見た目の特徴としては、直径1〜3mm程度の小さな茶色の点状のシミで、周囲との境界が比較的はっきりしています。
色素斑が少数の場合もありますが、非常に数が多い場合は密集している場合もあります。

そばかすは、思春期頃に目立つようになり、中年期以降に年齢とともに色が薄くなることもあります。
また、紫外線によって濃くなり、冬など紫外線の少ない時期には薄くなるという季節変動を認める傾向にあります。

治療
そばかすは遺伝的要素が強く、家族内で同様の症状が見られることがよくあります。
遺伝的要素が強いため予防は難しいのですが、気になる場合は治療も可能です。
そばかすは、治療にはよく反応しますので、専門の医療機関でレーザー治療や光治療など適切な治療を受けることにより、改善することが可能です。

ただし、治療後も紫外線対策をきちんと行うなど、再発予防の対策は引き続き必要となります。

そばかすの症例

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

特徴
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、成人(20~30歳前後)になってから現れる色素斑で、頬骨付近を主として、下まぶた付近やこめかみなどに発生します。

ADMは単独で認められる場合もありますが、老人性色素斑や肝斑など他のシミと混在していることも多く、割とよく目にするシミです。

治療
老人性色素斑や雀卵斑等のシミとは違う特徴的な色調や形状のことが多く、見慣れれば比較的診断は容易なことが多いです。
しかし、肝斑と似たような場所にできることから肝斑と間違われたり、老人性色素斑と間違われてしまうことも少なくありません。

肝斑とは治療法が全く違いますし、老人性色素斑とも治療法・治療経過が違う部分がありますので、しっかり診断がついていないとなかなかシミ(ADM)が消えない・・・ということになってしまいます。

まずは専門の医療機関での診断が大切です。

ADMの症例

頬にできるシミの原因

頬にシミができる原因は、シミの種類によって異なります。
ここでは、先ほど紹介した5つのシミごとに、現在分かっている範囲で、その発生原因について解説します。
シミの原因を知ることで、今後のより効果的な予防や対策につなげることができます。

老人性色素斑

老人性色素斑の主な原因は、長年にわたる紫外線の蓄積と加齢による肌の変化です。

頬は普段から紫外線にさらされやすい部位であるため、特に老人性色素斑が発生しやすくなります。
長年の紫外線暴露と加齢によって細胞の損傷が蓄積し、メラノサイトと呼ばれるメラニン産生細胞が活性化され、過剰なメラニン色素が産生されます。
また、皮膚構造の変化と細胞の異常増殖(表皮突起の延長とメラノサイト、ケラチノサイトの異常増殖)を認めます。
このような変化を生じた箇所が老人性色素斑となります。

また、喫煙や不規則な生活、食生活の乱れなども老人性色素斑の形成を促進する可能性があります。

これらの要因が複合的に作用することで、頬に老人性色素斑が発生します。

脂漏性角化症

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は「老人性イボ」としても知られ、老人性色素斑と同じく、長期間の紫外線への暴露や皮膚の老化現象が主な原因となって生じます。

一般的には、紫外線の影響を受けやすい40代以降の方の頬やこめかみ周辺にできやすいです。

脂漏性角化症は時々痒みを生じることがあります。
これは、脂漏性角化症の深部で時々炎症を伴うことがあり、この炎症が赤みや痒みを生じさせます。

脂漏性角化症の発生は、何もなかったところから突然小さな脂漏性角化症ができて徐々に大きくなる場合もありますし、長年の老人性色素斑から脂漏性角化症が発生する場合もあります。

肝斑

肝斑の主な原因は、「外部からの刺激」もしくは「ホルモンの影響」の2つがあります。
外部からの刺激は、紫外線、摩擦など物理的な刺激、外用薬やレーザー治療などがあります。

ホルモンの影響に関しては、妊娠や経口避妊薬の使用などによって、女性ホルモンのバランス変化が肝斑の発症や症状悪化に関連していると考えられています。
また、高齢者には肝斑がほぼ認められないことからも、女性ホルモンの肝斑への影響が示唆されます。
しかし、少ないながら男性にも肝斑を認めることがありますので、必ずしも女性ホルモンの影響だけではないと考えられるところが肝斑の難しい部分です。

これらの原因が肝斑の発生に複合的に関与しているのですが、肝斑自体は肌の炎症とそれによって引き起こされる色素沈着です。

原因を一つ一つ取り除き、肌の炎症を抑えていく治療とスキンケアが大切になります。

そばかす

子供の頃から認められる典型的なそばかす(雀卵斑)は色素を均一に保つことができない先天性の色素異常症の一つで、遺伝によるものです。

そばかすは女性に多く、思春期ごろから目立ち始め中高年ではやや目立たなくなってくることや、妊娠で目立つようになることから、ホルモンとの関係も強いと考えられています。

その他に影響を与えるものは何といっても紫外線です。
日焼けがきっかけとなって、そばかすが目立ってくることは非常によくあります。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

ADMは真皮という皮膚の深い部分にメラノサイトとうメラニン産生細胞が入り込んでしまっていることが原因です。

通常、真皮ではメラノサイトは認められないのですが、ADMでは真皮に何かしらの原因でメラノサイトが認められるようになります。

なぜメラノサイトが真皮の中に入り込んでしまうのかという点に関しては、はっきりとした原因はまだ解明されていません。

しかし、血縁者の間でADMの存在を認めることがあるため、遺伝的な要素はいくらか関連があると考えられています。

頬のシミに有効なレーザー治療

ここまで、頬にできるシミの種類と原因についてお伝えしてきました。
5つの種類のシミのうち、肝斑以外のシミはレーザー治療が第一選択と考えて問題ありません。
ここでは、シミ治療に使われる代表的なレーザーについてお伝えします。

Qスイッチルビーレーザー

Qスイッチルビーレーザーは、老人性色素斑、そばかす、ADMに効果的なレーザー治療です。

694nmの波長で、メラニン色素に選択的に反応する特性を持っています。
Qスイッチルビーレーザーによるシミ治療は歴史も長く、その有効性はもちろん、その安全性とリスクの程度まで十分に研究され尽くされています。

このレーザーの最大の特徴は、基本的に1回の治療で十分な効果が期待できるという点です。
治療は数分から15分程度で終わり、レーザー照射中は輪ゴムで弾かれたような痛みを感じますが、クリーム麻酔を使用すればかなり痛みは軽減されます。
照射後は薄いかさぶたとなって1〜2週間程度で自然に剥がれ落ちます。
その後、赤みや一過性の色素沈着を生じ、治療結果と言えるまで数か月~1年程度の期間を待つ必要があります。

ただし注意点として、肝斑や炎症後色素沈着に対しては逆に悪化させるリスクがあるため、適用すべきではありません。
また、治療後は10日間程テープ保護が必要なため、重要な予定がある前の治療は避けたほうが良いでしょう。

治療後の紫外線対策は非常に重要で、日焼け止めの使用や日傘、帽子などでしっかり保護することが再発防止につながります。適切なアフターケアを行うことで、長期間効果を維持することができます。

Qスイッチルビーレーザー

ピコレーザー

ピコレーザーは、従来のQスイッチレーザーをさらに進化させたレーザーです。名前の由来となっているピコ秒(1兆分の1秒)という超短時間でレーザーを照射することが特徴で、これによりより効果的にメラニンを粉砕できます。

ピコレーザーの最大の利点は、テープ保護が必要ない治療が可能なことと、肌全体をきれいにする効果が期待できることです。
ですから、顔全体に多数あるそばかすの治療は非常に良い適応となり、その他細かいシミが散在するタイプも効果的です。

従来のQスイッチレーザー(ナノ秒単位)と比較して、ピコレーザーは照射時間が千分の一と極めて短いため、熱ダメージを最小限に抑えられるという特徴があります。そのため、治療後の炎症や色素沈着のリスクが低く、肌への負担が少ないのも特徴です。

ピコレーザーは治療当日からメイクができますので、ダウンタイム(回復期間)が短いことも大きなメリットといえます。

ただし、肝斑に対しては慎重な使用が必要で、必ず専門医の診断と適切な設定のもとで治療を受けることが重要です。また、他のレーザー治療と同様に、治療後の紫外線対策は再発防止のために欠かせません。

ピコレーザー

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーは皮膚を少しずつ削り取っていくタイプのレーザーです。
盛り上がりのある脂漏性角化症の治療はこのタイプのレーザーが特に有効です。
脂漏性角化症に対して、色素だけを除去するレーザーや光治療では複数回治療が必要であったり、除去できないこともありますが、炭酸ガスレーザーであれは1回の治療で除去できるのが特徴です。

麻酔をした後、脂漏性角化症を削り取るように除去します。1か所の治療であれば数分で終わります。
治療部位は浅い擦り傷のような状態になっていますので、約10日間テープの保護が必要です。

炭酸ガスレーザー

頬のシミ対策

頬のシミを予防し、また進行を遅らせるためには日常的なケアが重要です。周知のものがほとんどですが、シミの種類に関わらず共通して有効な方法ですので、再度確認しておきましょう。

紫外線対策

最も重要なシミ対策は徹底した紫外線対策です。
紫外線は肌の老化を進行させ、老人性色素斑や脂漏性角化症などシミの原因となります。
日焼け止めの使用を基本とし、日傘や帽子、サングラスの使用などでシミが出やすい顔の紫外線対策を行いましょう。
また、手の甲や腕も紫外線の影響を受けやすい場所です。
顔と同様に日焼け止めの使用を基本とし、できるだけ肌の露出を控えることで紫外線対策を心がけることが大切です。
紫外線はあらゆるシミの大敵であり、紫外線対策がシミ予防の基本となります。季節や天候を問わず対策しましょう。

保湿ケア

肌に優しい保湿ケアも重要です。乾燥した肌は刺激に弱くなり、また、ダメージからの回復も悪くなります。

刺激に弱くなった肌は色素沈着を起こしやすく、肌のくすみや肝斑を生じやすくなります。
化粧水などで十分に水分を与え、油分の多いクリームなどで水分の蒸発を防ぎ、肌の健康状態を保ちましょう。
特に乾燥しやすい季節は入浴後や洗顔後すぐの保湿ケアが大切です。

また、紫外線のダメージを受けた後の保湿ケアは忘れがちになりますので、肌の回復力を保つために十分にケアしましょう。

生活習慣の改善

シミ対策には生活習慣の改善も欠かせません。
特にタバコを吸っている方は、肌の健康状態に大きなマイナス影響が出ています。また、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理も肌の健康に直結します。
シミをレーザーで消すことはできても、肌の若さを取り戻すことは困難です。
できることをしっかりやって健康的な肌を維持しましょう。

この記事の監修医師

大船T's形成クリニック
院長:高梨 昌幸

大船T's形成クリニック院長 高梨 昌幸
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